都心部の大学校地の有効活用も、床供給増をもたらす。すでに多くの大学が移転しているが、今後も広大な敷地を持つ国公立大学の校地の有効活用が予想されている。住宅、オフィス供給につながり、床供給のバランスを崩し、不動産価格の下落要因になる。大都市に集中して設置されていた大学だが、昭和三〇年代の半ばからつい最近まで四〇年以上、東京や大阪など大都市においては学部・学科の改組は行なわれたが、定員の拡大を伴う新増設は行なわれていない。その間に大学の新設や拡大が行なわれたのは地方都市である。もともと文部省(現在の文部科学省)には地方での高等教育の振興を重視するという伝統的な体質があり、大学で早くから全国に広く分散させたいと考えていた。そんな「地方分散政策」が政府全体の共通目標になったのは、昭和三〇年代半ばの高度経済成長期に入ってからである。首都圏整備委員会、のちの国土庁が昭和三四年に「首都圏の既成市街地における工業等の制限に関する法律」(工場等制限法)を制定。五年後の三九年には近畿圏にも同様の法律が制定された。
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