事故による被害をできるだけ減らし、軽くする手段として、もう一つの安全策が浮かび上がってくる。それは、手すりの取付けである。ここで手すりというのは、しっかり握れるものをいう。しかし、この手すりの問題は比較的最近になってクローズアップされてきたものであり、階段幅員と手すり設置との関係が、まだ十分に議論されずにきた。そもそも、手すりがないと困る人々が住宅の階段を使うなどとは、現在の法規ができた昔は予期されていなかった。このため、二階に上がる階段に現実に手すりをつけようとすると、法規に抵触するとして建築確認の際に拒否される事例も少なくなかった。これは、階段幅員の条件が七五センチとなっており、もし安全のために手すりをつけた場合でも、手すり内側から対面する壁までが七五センチなければならないとの「統一解釈」が建築主事会議から出されており、これを満足させるのが困難な住宅が多くつくられているためだった。この問題について、私は十年以上前から「安全性と今後の高齢化を考えれば、手すり幅員の解釈のほうを変えるべきだ」と建設省に要請していたのだが、聞いてもらえなかった。また、四年前には、階段昇降機の後付けに関連して、やはり幅員の議論がなされたのだが、そのときも幅員をどう考えるか、決着がつかなかった。
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