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家族の誰かが「住んで」から売ったほうがいい

2011.10.28

ある日、某一流商社に勤めている中学時代の後輩が訪ねてきました。彼はこの春に結婚したばかりで、千葉市の郊外にマイホームを新築しましたが、新居の完成を目前にしてハンブルグ支店へ転勤を命じられたというのです。海外勤務に出ると二年や三年では帰れないのが慣例なので、思いきって奥さん同伴で赴任し、新居は工事が終わりしだい売りたいのだがという相談でした。日本企業の海外進出にともなって、海外支店に転勤したり、合弁会社に長期派遣されたりするサラリーマンがふえて、こうしたケースも目立っていますが、私は即座に答えました。

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「新婚早々の別居は辛いだろうけど、君は単身赴任し、奥さんだけでも新居に住んで、売るのは先にのばしたほうが税金面では得だよ」なぜかといえば、居住の用に供するための家屋、つまりマイホームであっても、所有者かその扶養家族が住む前に売ると、居住用財産の三〇〇〇万円特別控除が使えないからです。この特例の原則は、「居住の用に供している家屋または家屋と敷地」を、居住の用に供さなくなってから三年目の一二月三一日までに売った場合に適用されるというものですから、「住んでいる」か「住んでいた」ことが絶対条件となります。したがって、新築中のマイホームをそのまま売れば、たとえ住むつもりがあっても、売った利益の最低五二パーセントを税金として払わなければなりません。その点、法律は無情です。この税金を払いたくなければ、別居生活は辛くても誰か家族が住んで「居住の用に供している状態」をつくるしか方法はありません。なお、ひとことつけ加えておくと、住んでいることが特例適用の絶対条件である以上、別荘などが居住用家屋として認められないことはいうまでもありません。また、最近ではマンションなどをセカンド・ハウスとして購入し、自宅を二つ以上もっているケースも見かけますが、こういう場合は、所有者がどちらを主な住居にしているかによって判断され、主な住居にしている家屋だけが特例の対象となります。