全国不動産総合ガイド

住宅を住みこなすのは人間

2011.12.03

空間は人間に働きかける力を持ち、したがって住宅の形は家族の生活に影響を及ぼす。しかし、一方では空間を使い、住宅を住みこなすのは人間であることも忘れてはなるまい。だんらんの減少を子供部屋のせいにするのは、子どもにも独立した人格を認め、それが徐々に自立して行くのを助けるという、戦後的「個」の理想への一つの反動であり、そのような見解がいっきにジャーナリズムに登場したのは、なにかキナ臭く、要注意の現象というべきであろう。

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だんらんに「密度」とでもいうべき概念を適用できるとすれば、その密度は時間だけでは計測できない。時間は短くても濃密で有効なだんらんも考えられるからだ。また或る家族のだんらんが希薄だとすれば、それはたぶん子供部屋の有無ではなく、それ以前の親と子の人間関係の問題であろう。つまり、子供部屋があってだんらんの希薄な家庭は、もともとだんらんが充実していなかったために、親が子を追放する形で、子が親から逃げる形で子供部屋がつくられたのだと言えないだろうか。ちなみに長男の机に使った事務所の備品だった脇机はまだいくつも倉庫に残っていたので、次男の机も同じような造りにした。ただし机を二つ並べても十分なスペースがあるので、上に載せるベニヤ板はそれぞれに大きなものを新調した。脇机や低い書棚類は製図板の台にするために高さが一定(六七センチ)になっているので、この後、第三期に入って二人それぞれに部屋を持ってからも、素朴ながら組み合わせ自由で便利な備品として活用されている。